6月5日 芒種(ぼうしゅ) ”Grain in Ear” ー 生命のたくましさ ー
芒は「すすき」とも読み、直訳するとAwn seedという訳の表記も出てきます。
6月6日の芒種の札幌
北海道は、先週の台風6号の影響でしょうか、6月に入ってから最高気温が30度を越える真夏日となりました。北海道には気象庁の観測地が174ヶ所ありますが、真夏日となった地点は、51ヶ所、夏日(25度以上)が135ヶ所ということで、数日間異例の暑さに見舞われました。芒種を迎えた6月6日はと言いますと、札幌の最高日気温は10度以上低く、16度でした。冷たいビールよりは、温かいものが欲しくなりました。
九州・佐賀の芒種の頃の記憶
全国ニュースの情報によると、九州北部は梅雨入りしました。二毛作の田園では、麦刈後に水を張って、水田を耕す代かきを行います。その後時期をみて、田植えを行います。麦の収穫も、代かきも田植えも機械で行います。
佐賀の田植えの季節は、5月下旬から6月の半ばで、寒くなる山間地域では、それよりも早い時期に行われるとのことです。
昔の田植え
私が子供の頃、自宅の前は田地が広がっていました。1970年代の最初の頃ですが、農家の方が苗の束を藁紐で巻いたものを水田にいくつも放り込んで、途中でほどきながら、手で田植えをしていた姿を眺めていたのを覚えています。
確か翌年くらいには田植え機を使っての作業に変わり、数年かと思いますが、70年代の半ばには、家の前の田地は埋め立てられて住宅地に変わってしまいました。
蛙パラダイス
水を張った水田は、蛙たちの天国で蛙の鳴き声が響きわたってました。ほとんどが土色でイボイボがあったので、イボガエルと呼んでいましたが、ツチガエルが学名だそうです。時々、「モーモー」と鳴く声がしていました。正体は牛蛙でしたが、地元の人たちは、食用蛙と呼んでいました。ソフトボール大の大きさの深緑色の蛙でした。そのほかにトノサマガエルやアマガエルもいました。だから、それらを捕食するアオダイショウや白サギなどの水鳥も自宅の前にはたくさんいました。動物天国でしたね。
北海道の芒種の頃
北海道では、九州よりも一ヶ月早く田植えが行われています。かつて家族で山村留学をしていた上川郡東神楽町の志比内では、ゴールデンウィーク明けには、田植えの準備に取りかかっていました。一度苗作りの手伝いをしたことがありますが、家族総出の作業でした。5月下旬には田植えは終了し、上川盆地は一面鏡を張ったような、水面の景色に一変します。
北海道は6月初旬くらいまで「リラ冷え」という、気温が低くなる時期がありますが、寒くなった時は、水田に氷が張ることもあります。その時は、水田の水を多めに増やしてイネを沈ませて氷結から守るそうです。そんな話を農家の方から聞いたことがあります。天候にいち早く対処していく情報のやりとりが、農業関係者には常にあります。
札幌近郊をドライブして海まで
さて、先週末は天気が良かったので、家の片付けなどもしつつ、少しドライブしました。天気が良くても風が強いのが最近の天候の特徴なのでしょうか。ライラックまつりが開かれていたので、ライラック園がある公園にも寄る計画にしました。
札幌市の西には、小樽市と石狩市という海沿いの自治体があります。石狩市の海岸は、北海道最大の河川である石狩川が海へと注がれる地域です。遠浅の海岸が広がり、コンビナートや物流の拠点が広がっています。石狩川の河口は砂州が陸地を形成したところです。

北海道でも歴史のある場所のひとつ
海と内陸地へとつながる地の利を生かして江戸時代には北前船が寄港するなど、交易の拠点として栄えた歴史もあります。意外な歴史の資料が眠る場所でもあるのです。
観光案内所に立ち寄ったら、私営の博物館で浮世絵を展示している情報を聞いたので、見学に行きました。かつて呉服屋を営んでいた商家に眠る品々が展示されていました。現物に手に触れて見学することもできましたので、一緒にいた妻もとても喜んでいました。私たちと館長だけの展示室で、いろんな話をして貴重な時間を過ごすことができました。
さて…ライラック
夕方近くになってでしたが、最後に、札幌市白石区にある川下公園内のライラック園に寄りました。ライラックは、モクセイ科の植物で、英語名をライラック、フランス語名をリラといいます。リラ冷えのリラですね。

※ライラック園について
それでも植物たちはたくましい
最後に、芒種の芒(ぼう)は、「すすき」とも呼びます。芒は麦や稲などの実から伸びてくる細い穂のようなものです。その役割は、動物などの毛に付着して、種を拡散させるためにあると考えられています。
「芒」について、以下参照ください。
※「暦生活」

「芒種」の呼び名に思ったこと
田植えの頃から拡散させることを考えているとは、生きものたちはあなどれません。「生き物、たくましい、生きる力、見習おう」ということでした。つづく。


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