歳時記1/24(24ぶんの1)きたみなみ Rikka 立夏(りっか)

5月5日  立夏(りっか) ”Beginning of Summer“ 夏の扉が、静かに開く。

今年の立夏は、こどもの日、端午の節句と重なりました。ゴールデンウィークの後半にあたり今日の札幌はさわやかな青空が広がった行楽日和の一日でした。遅咲きの桜も満開に咲いていました。八重桜も濃いめのピンク色の花をこれから咲かせることでしょう。

九州・佐賀の立夏の頃の思い出

昨日の佐賀の気温は最高気温が23度だとA Iさんが教えてくれました。例年の北海道だと6月半ば過ぎの気温になります。23度とはいえ私の記憶の中では、さわやかな過ごしやすい時期のように思っています。さて、二つの思い出話があります。

立夏のイチゴ

子供の頃に自宅の庭にはイチゴが植えてありました。小さな白い花が散ったら、白い実が膨らみはじめて次第に赤く色づいてきました。お店では売り物にならないような小粒の酸っぱいイチゴの実でしたが、母がジャムにしてくれたことを思い出します。ちょうど今頃の季節だったでしょうか。学校から帰ってきたとき、母が氷の入った赤い飲み物を出してくれました。あのジャムになったイチゴの最後の姿だったのです。冷たく、甘く、ほんのりイチゴの香りがした記憶が今でも口の奥に残っている感じがします。子どもの頃の50年以上前の遠い記憶のはずですが。

海のような、風にそよぐ麦畑

立夏の思い出はもう一つあります。北海道に移住する前のことなので、30年くらい前でしょうか。長男が生まれた日の思い出です。予定日よりもかなり遅く生まれることになり、妻は前晩から産婦人科に泊まって分娩することになりました。田舎の田園が広がる場所に病院はあったので、窓の外を見ると、まだ色づく前の青い麦畑が広がっていました。午後のさわやかな陽気の中で、出産を終えた後の、落ち着いたゆっくりとした時間の中で、窓の外に広がる風にそよぐ麦畑を妻と二人でながめて時間を過ごしました。風をうけた麦畑がまるで海原のように感じて見えていたことが記憶の中に映像として残っています。

ちなみに佐賀は二毛作なので、大麦の収穫後に田植えが始まります。田植えが始まると蒸し暑かったようでした。

北海道の立夏

北海道はといいますと、連休中もスキーを楽しむ人が来ます。とはいっても少数派ですが楽しんでいます。この頃北海道は大体がアウトドアシーズンに入りはじめ、冬季閉鎖中だった場所がどこも開放されます。公衆トイレも使えるようになります。冬の間は、水道が凍結するなどのメンテナンスの問題もあるのだと思います。立夏とはそういった冬季閉鎖期間の終わりを告げる日なのかもしれません(笑)。

ところで、北海道は今はお花見のシーズン真っ盛りなので、桜の名所や行楽地はとにかく賑わいます。北海道で花見といえば、やはり外でジンギスカンを焼いて食べて楽しむことなのでしょう。大体定番になっています。

桜の木下で道民はジンギスカンを食べます。

札幌は、西に石狩湾があるので、港の朝市も開店しはじめます。ニシンやカレイなどの魚やシャコもこれから旬を迎えます。

石狩湾のシャコ

北海道でシャコ漁が行われるのは石狩湾だけだといわれます。春の漁期は4〜6月で、 産卵前の卵を抱えたメスは「カツブシ」と呼ばれる卵をお腹に持ち、 コリコリとした独特の食感が楽しめます。5月中旬頃から出荷が安定し、 高級寿司ネタとしても名高い小樽のシャコが旬を迎えます。

今年の立夏は、端午の節句 〜暮らしに定着したもの〜

もともとは中国から伝わってきました。日本では奈良時代頃から宮中行事として定着し、武家社会では「菖蒲」が「尚武(武を尊ぶ)」に通じることから男子の成長を祈る節句として根付いてきました。邪気を払い健康を願うため、菖蒲(しょうぶ)や艾(よもぎ)を用いた習わしが生まれました。

菖蒲湯は、菖蒲の根茎に含まれる精油成分には血行促進・疲労回復の効果があり、端午の日に浸かることで邪気を払い、夏の疲れを予防するといわれてきました。また、蓬湯(よもぎ湯)は、よもぎに含まれるシネオールやツヨンが抗菌・抗炎症作用を持ち、皮膚を清潔に保つ。「医草」とも呼ばれ、万能薬草として親しまれてきました。

柏餅を食べる習わしは、柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家系が途絶えない」縁起物として。葉の抗菌作用がもちを包むことへの実用性も相まって広まったといわれています。

鯉という薬用魚について

古代中国の薬物書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも記されるほど、鯉は古来より薬用魚として重宝されてきました。気血の巡りを整え、浮腫(むくみ)を改善し、産後の母体を回復させる効能があるとされました。「立身出世」の象徴として鯉を飾る習わしは、こうした生命力に満ちた鯉への敬意にも由来するのでしょう。

太陽エネルギーの高まりのなかで

立夏を境に太陽の角度が高くなり、一日の日照時間が伸びます。光のエネルギーが大地に降り注ぎ、植物は一斉に緑を深めます。

私たちの体もまた、この光のエネルギーを活かして免疫を整え、生命力を充実させる絶好の機会です。どうぞ日々の健康にも気遣いながらお過ごしください。

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