歳時記1/24(24ぶんの1)きたみなみ Keichitsu 啓蟄(けいちつ)

3月5日  啓蟄(けいちつ) ”Awakening of insects” むしのめざめ

冬眠から生きものたちがめざめる頃

3月5日は、二十四節気三番目の季節となる「啓蟄(けいちつ)」です。啓蟄の言葉には、虫などの生きものたちが、冬眠りから目覚めて、活動しはじめるという意味があります。これから、あらゆる生きものたちの命の営みが活発になっていくことを示す季節を迎えたということです。

啓蟄(けいちつ)の北と南

今日のネットニュースに、つくしが顔を出したという話題が出てきました。啓蟄の頃に、つくしや蕗(ふき)のとうなどが土の中から芽吹いてくると言いますが、それは本州などの風土の様子をあらわした光景です。

私が住んでいる北海道札幌における啓蟄の今朝の様子は、雪まじりの小雨が降り気温は0℃くらいでした。曇り空の日中は5℃まで上がったところです。歩道の雪はある程度溶けて歩きやすくはなったのですが、蕗のとうが芽吹く姿はまだ見られていませんでした。春の萌芽は、例年だと春分の日を過ぎた頃といいます。北海道で本州のような啓蟄の芽吹が見られるのは、2週間以上先のことです。

春を告げる生きものたち

しかし、蕗のとうは見られませんが、この時期に北海道では、啓蟄ならではの生きものたちの活動が見られます。「群来(くき)」と呼ばれる海岸が白くなる現象です。実は、ニシンの群れが入り江などの浅瀬で、一斉に産卵することで、海がミルク色に濁る状態となる自然現象です。北海道の啓蟄の時期は、この群来を見せるニシンの群れが生きものの活動の知らせと言えるのかもしれません。

春を告げるという、つくしや蕗のとうなどのほろ苦い菜物のほかに、ニシンなどの春告魚(はるつげうお)と呼ばれる魚介類の数々も、春先の旬の味として日本人に好まれて食されています。春の到来のしるしを体内に取り入れて、人間は元気をもらっているのだと思います。生命の恩恵といえるでしょう。感謝!感謝!

この啓蟄の頃には、北海道のような北の地方や、九州のような南の地方など、津々浦々に春の到来が生きものたちによって告げられているようです。

雪が溶けて水が流れ、生命がざわめく啓蟄(けいちつ)を迎え

「啓蟄につき、虫は目覚めた。」” Insects awaken”。生きものの循環が、再開しました。これからの季節の流れに、自然のすべてが呼応していきます。

太陽が、水が、風が、植物が、生きものたちが、すべての存在が働きはじめて、自然の営みを担っていきます。人間は、その営みに参加して、恩恵にあずかっていくのだと思います。

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